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古美術鑑賞の手引き: その4

本物と偽物

本物と偽物を判別するのは、とても難しいと言われています。「偽物を買ってしまった」などという話を良く聞きます。しかし、プロの立場から言いますと、本物と偽物の判別はさほど難しいことではありません。 問題は、本物の中にあって、それが「どのレベルのものであるか」を見極めることが出来るかどうかが重要なのです。 同じ作者の作品でも、それがAランクの出来の良い物なのか、中程度のBランクの物なのか、Cランクの物なのかを見極める知識と感覚が問われます。本当の目利きという人は、真贋を判別出来る人のことではなく、そのような見極めの出来る能力を持っている人のことだと言えるかも知れません。